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Blog / 社員の意識調査をモチベーション・アップの手段として活用する – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.33
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もくじ

社員の意識調査をモチベーション・アップの手段として活用する – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.33

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、「社員意識調査を社員のモチベーション・アップのために活用する」です。 
 
皆さんの会社では、Employee Surveyもしくは社員意識調査を定期的に行っていますか? 社員意識調査とは、全社をあげて社員の満足度について匿名のアンケート形式で調査をするものです。 毎年ではなく、2年に一度くらいの頻度なのは、そんなに頻繁に社員の満足度の傾向は変化しないという考えに基づいているからでしょう。 

本来は、社員の満足度が低い点を洗い出して、会社として改善策を打ち出すことで、社員のモチベーションを高くし会社全体の生産性を上げることを目的です。しかし実際には、マネジメントと人事が意識調査を行うことで満足してしまい、結果に対するフォローがされず、残念ながら社員のモチベーションを下げる結果になることが多いので運用には注意が必要です。 


実例を挙げると、ある米系企業で2年に1度の社員意識調査を行ったときのことです。まず英語から日本語へ翻訳してオンラインで受けられるようにする作業を、日本語が読めない本社主導で進めことが多いです。日本法人の希望通りに画面のレイアウトが調整されず、日本人から見ておかしくないアンケート画面にするまでに、気が遠くなるほどの時間が必要でした。 
 
やっとアンケート画面は整いましたが、数カ所ある工場の社員が1人1台PCを持っていないので、匿名参加にするのであれば全てをオンラインで実施することは不可能とわかり、アンケート用紙の印刷から鉛筆や消しゴムを手配するのにさらに時間がかかりました。 
 
いよいよアンケート本番です。無事に期間内に終了しましたが、ここからが問題です。本社から集計結果が送られてくるのに時間がかかりすぎ、マネジメントの熱意が冷めてしまいました。「社員意識調査? あぁ今年もやったね」で終わってしまったのです。 出てきた結論を一般論として眺め、そのまま流れてしまいました。せっかく自由記述式でコメントも書けるようにしているのに、社員からの声がマネジメントに届かない形で終わってしまい残念でした。 
 
社員意識調査を行うと、だいたいどこの会社でも一番の問題は「コミュニケーションが悪い」と出ることが多いです。 この時もご多分にもれず「マネジメント層から会社の方針が明確に降りてこない」「部署間の風通しが悪い」などの結果が出ました。 


本来ここから先のマネジメント層と人事の役割は、この明確になった問題点をどう改善するかを考え、様々な政策に反映させることです。しかし残念ながらこの会社に留まらずほとんどの場合、サーベイを取ったことに満足してしまい、明らかになった問題点のフォローまでじっくり取り組めている会社は少ないです。 
 
「皆さんの職場について率直にお聞かせください」と言われて真剣に回答したのに、その後何のフォローもないのではかえって社員のモチベーションは下がります。寝た子をただ起こしたようなもので、それこそサーベイをした意味がありません。 前出の会社では、社歴が長い社員が「どうせ何も変わらない」と斜に構えていることが多かったのですが無理もないです。社員意識調査を行うのであれば、社長を含むマネジメント層が、結果を受けて改善策を取ることに強くコミットすることが大前提です。 
 
コミュニケーションに問題があると分かったのであれば、いくつか人事がマネジメントに提案できることはあるはずです。 具体例を上げてみます。 
 
まず「マネジメントから明確に会社の方針が降りてこない」ことについての対応策として、以下のような具体案が考えられます。 

  • 1年に1回しか行っていない、全社員で集まるTown Hall Meetingを四半期ごとに行うことにする。物理的に集合しなくても、オンラインで十分効果を上げることはできるはず。ここで会社の方針や、新しく入社したマネジメントのメンバーを紹介したり、社員が会社の方向性を理解できるようにする。 

  • 1 on 1 (上司と部下1対1の定例ミーティング)を制度として取り入れる。既に存在しているのであれば、決められた頻度で現実にも行われているかどうかを調べ、お題目だけになっているようであれば、管理職に理想的な1on1ミーティングのやり方についての研修を行い、開催の徹底を図る。きちんと1on1をしているマネジャーの部下を羨ましいと感じている、1on1をしてもらえていない社員の存在を意識し、マネジャーの役割に社員のモチベーションを上げることが含まれることの再認識を促す。 

  • 社長室もしくは広報から、毎月1回会社の方針・価値観・使命についてメール配信する。音声配信・動画配信にできたらさらに良い。 

 
「部署間のコミュニケーションが悪い」ことに対しては、以下のようなことが考えられます。 

  • 部門の垣根を越えて社員が交流できるようなイベントを開催する。 

  • 他部門を交流できるように、会社公認のクラブを設立して金銭的にも一部補助する 


もちろん予算や、ニューノーマルな時代に相応しい施策かどうかを確認する必要はありますが、社員に働きやすい環境を提供するためにできることは他にもあるはずです。 まずは人事内で、社員意識調査の結果をフォローして具体的に現状を改善するために、社長とマネジメントをどう巻き込み彼らの推進力・実行力を借りるかを話し合い、目に見える形での改善策を取れるようにしたいです。 
 
本日は、外資系に多い社員の意識調査(Employee Survey)を、働く人のモチベーションを上げるためのツールとして使うことをテーマにしました。せっかく全社あげて行うのですから、フォローが足りずモチベーションを下げることに繋がらないように、マネジメントとの協同作業で具体的な改善策を提供するチャンスとして活用しましょう。


プロフィール

Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)

株式会社AT Globe 代表取締役社長  


GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。


診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講

STAR面接技法 認定講師

ホフステード6次元異文化モデル 認定講師

お茶の水女子大学卒業。


著書

2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)

2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)