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Blog / 2021外資・採用担当セクションの課題 – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.36
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もくじ

2021外資・採用担当セクションの課題 – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.36

・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは、外資系企業の採用担当が最近抱える構造上の課題です。  

 
10年ほど前から、採用セクションが日本法人の人事部長にレポートするのではなく、エリア、大体の場合はアジアパシフィック本部の採用担当ディレクター/マネジャーにレポートすることが多くなりました。 採用担当マネジャーの直属上司が、日本法人の人事部長ではないということです。 

この傾向がさらに強まっています。 
 
現在グローバルに採用に関わる費用の見直しがされていて、もっとお金をかけずに採用できないかと企業が試行錯誤を始めました。その一環として採用をエリアで統括することで採用プロセスの均一化・目標達成度アップを図ろうとしているように見えます。 まずはメリットから解説します。 

メリット

 
a) プロセスの均一化 

共通の採用ERP(統合業務ソフト)を使各国でプロセスの進捗を入力します。採用プロセスは国に左右されずに企業のスタンダードとして確立され、データに入力する義務が発生する以上、そこから外れる社員は出ないので、これまでアナログで無駄だった部分は自然と消えて行きます。 
 
外国人を採用したい場合、日本国内外で候補者を集めることが以前より簡単になるので、各国が連携している事は効率が良いです勤務地は東京でも、採用されたのはシンガポールなんてことが起こり得るからですグローバルな時代に各国が連携することは、時代の流れでもあります。 


b) 目標達成度アップ 

データで全てが可視化されると、それぞれの担当採用担当のKPI達成度合いが明確になります。例えば、下記のようなものです。 
 
・応募者数 

・採用人員数達成度 

・内定の辞退者数 

・一人当たり採用コスト 
 
採用担当には、もともと営業マインドを持つ目標達成の意欲が高い人が多いです。仕組みとして自分のKPI達成度が公になる環境で、ますます競争意識が高まり目標を達成しようとする意欲が高くなることは企業にとってプラスです 


デメリット


これはメリットの逆サイドになります。 

c採用担当がKPI達成度を最優先にする 

自分のKPI達成ばかりが気になると、「良い候補者に会社へ入社してもらう」と言う大前提が崩れます。自分の目標達成度を上げるためには1人でも多くの候補者に早く入社してもらった方がデータ上見栄えが良いからです。面接した社員に「この人で進めよう」と言ってもらえるように説得しがちになるのは、人間として自然です 
 
企業にとってそれで良いわけはないので、効率やデータ至上主義に陥らないようにバランスを見ることが、長期的な採用の質が落ちないようにするために重要です。言うまでもなく、入社の数の帳尻が合えば良いわけではなく、中途入社の方々に実績をあげてもらわないと何のためにしている採用かわからなくなります。企業文化とのマッチングへの配慮も不足して、とにかく入社してもらえればという方針で採用を進めると退職率が上がり、採用・育成にお金と時間をかけた企業の努力が水の泡になります。 

d日本法人に適した人材を採用しているか 

先日話をした人事部長の悩みは、自分にレポートしていない採用セクションが、日本法人に適した人材を採用していないように感じる事です。アジア・パシフィック基準で見たときには、その企業にふさわしいと判断された人材が、日本法人にとって最適な人材とは限らないからです。 
 
ズレが生じる筆頭は英語力でしょう。エリアで採用するとどうしても英語力がある人候補者が有利になります。しかしポジションによっては、英語があまり必要ない場合もあり、実務の経験値の方がはるかに大切なこと多いです。日本が英語圏でないことを海外に理解してもらうのはなかなか難しいですし、アジア・パシフィック本部の方が上位組織で押し切られることも多いので、日本のニーズを声高に伝えることを誰がやるのかは難しい課題になります。誰も自分の責任範囲でない火中の栗をわざわざは拾いたくはないですからね 
 
人事の世界にもトレンドはあり、元に戻ることもあります。外資・日本法人で採用を担当しているメンバーの課題については、しばらく注力が必要でしょう。本日は現場の課題を共有しました。 


プロフィール

Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)

株式会社AT Globe 代表取締役社長  


GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。


診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講

STAR面接技法 認定講師

ホフステード6次元異文化モデル 認定講師

お茶の水女子大学卒業。


著書

2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)

2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)