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Blog / 外資系の人事評価制度 – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.38
外資系の人事評価制度

もくじ

外資系の人事評価制度 – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.38

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは外資系の人事評価制度です。

日本企業と外資系企業では人事評価の仕組みに違いがありますが、そもそも根本的に違うのが人事部の役割です。日本企業では人事部に人事権があり、社内異動や海外赴任なども決めていると聞きます。

外資系企業では、人事権はそれぞれの部署にあります。直接の人事権を持つのは、社員の直属上司です。人事は、会社全体で同じ制度を提供すること、業績評価についての社内研修を行うこと、そして必要なサポートをすることを主な役割としています。

それでは、外資系企業における人事評価制度について説明します。 外資系企業では成果主義を重んじており、また新卒採用を行っていない企業も多く中途入社者の割合が高いため、入社年次・年齢・性別等は関係ない業績評価制度になっています。

外資系企業の会計年度は、1月に始まり12月に終わるところが多いですが、例外もあります。本日のコラムでは、1月に会計年度が始まる外資系企業を例にとって解説します。


1. 年初の目標設定

翌会計年度の会社としてのゴールが決まったところで、1月に、各社員の一年間の目標設定を行います。目標はCEOから順番に降りてくるもので、自分の上司の目標を部分的にサポートするのが社員本人の目標になります。
この目標設定に沿って、最終的なレビューが行われるので、なるべく客観的に測定しやすい目標を立てることが必要で、これに関しては人事主導で社内研修を行うことが多いです。きちんと目標が設定されていなければ、最後に客観的にレビューをすることが難しくなるからです。

営業であれば、年間・四半期ごとの売り上げ目標が一番測定しやすい目標になります。経理部のスタッフなど数字に落とし込むことが難しいポジションは、ERPの導入などのプロジェクトの進捗管理や、締め切りを必ず守るなどが目標になり得ます。

かなり多くの外資系企業がSMARTゴールを導入しています。

  • S - Specific (具体的)

  • M - Measurable (測定可能)

  • A - Achievable (達成可能)

  • R - Relevant (関連性がある)

  • T - Time-bound (期日が明確)

記述が具体的で測定可能であり、努力すれば達成可能とわかっていて、会社の方向性・上司の目標と関係づけがされており、いつまでに行うのかが明確なゴールが良いゴールです。優れた上司は、部下が作成した目標が客観的に評価できる内容かどうかを判断できます。人事の役割は、このような上司を社内に増やすことです。


2. 中間レビュー

先程の会計年度の例で言うと、中間は6月に当たります。直属の上司と部下で1:1(ワンオンワン)を行い、進捗に問題がないかどうかを確認しあいます。 たまに置かれている市場環境が劇的に変化し、年初に立てた目標が現実的でない場合もあり、このような時には目標設定をやり直します。

中間レビューは、直接昇給やボーナス査定に響かないためか、忙しいことを理由に実施を渋る上司もいますので、人事としては社員全員が中間レビューをしてもらえるよう、タイムスケジュールを社内にアナウンスし、フォローする必要があります。


3. 年末のPerformance Review(業績評価)

会社の業績が確定したら、各部署で年末の業績評価を行います。念頭に立てた目標がどのくらい達成できているのかどうか客観的に判断する作業です。

最終のパフォーマンス・レビューは昇給、ボーナスの査定にダイレクトに影響するので、フェアな判断がされているかどうかは重要です。もともと、頑張れば頑張っただけ昇給やボーナスの額に反映されるようにできている仕組みですが、人事権を直属の上司が持つので、個人的な好き嫌いが反映されないとは言い切れません。そのため、外資の人事評価では、直属の上司だけでなくその1段階上の上司の同意も必要になっています。2段階下の部下の細かい状況は見えていなくても、上がってきた評価が偏っている時に救出されるようになっているのです。

会計年度の途中で、異動になった場合は、それぞれの在籍期間に応じて評価が按分されます。人事は、在籍部署役割が変わった人について、評価が公平に行われるように目を配ります。

本日は外資系企業の人事評価制度、そこで果たされる人事の役割について説明しました。