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Blog / 日本企業のHRBPが抱える課題 – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.46
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もくじ

日本企業のHRBPが抱える課題 – グローバル人材プロデューサー鈴木美加子のコラムVol.46

Anchor元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、日本企業のHRBPが抱える課題です。

まずは、HRBPとは何かをおさらいします。HRBPはHuman Resources Business Partnerの略称です。担当する部門を持ち、人と組織の面から担当部門をサポートする役割を担っています。部門長のリクエストを人事部に持って帰り、解決策を考えて採用・研修・福利厚生・労務等のエキスパートに必要な作業をしてもらい、再び部門長に提出する橋渡し的なポジションです。もちろん、ただ行ったり来たりしているわけではありません。

簡単な例では部門長に「No2のAさんの英語力を短期間でもう少し上げたいので、解決策を考えて欲しい」と言われたら、個人レッスンがいいだろうか、今ならフィリピンとオンラインで毎日レッスンした方が早いだろうかなど、自分である程度は選択肢を考えます。さらに一歩進んで、英語で何かを学ぶコースにした方が、Aさんのモチベーションも上がり、費用対効果も良いのではと付加価値をつけることも忘れません。人事に持ち帰り研修部門と相談して、最良の選択肢をまとめ部門長に提案することになります。


さて人事のキャリアを築く上で、HRBPのメリットとデメリットをは以下になります。


Anchor<メリット>

  1. 特定の部門に対して人事のすべての業務、研修・採用・福利厚生・人事労務管理を提供するので、人事の業務に対する知識が広く学べます。

  2. 部門の仕事の理解度が高まる
     - 担当する部門の社員がどのような仕事をしているのかを理解していないと、適切な人事サービスを提供できないため、現場の仕事内容に対する理解力が深まります。

  3. 人事部長のポジションに最も近い


外資系では上司は部下よりスキル・経験において優れている必要があります。つまりスペシャリストで研修を極めたと言うキャリアの人が人事本部長になるのは、研修以外の人事業務の知識と経験が足りないので難しいです。

HR BPのポジションは自分が直接作業するわけではありませんが、広く人事の業務に関わるジェネラリストであり、人事部の責任者に一番近いキャリアと言うことになります。部門と直接やりとりすることで、社内クライアントとのコミュニケーション、時によっては駆け引き/交渉術も学べるので、マネジメントの訓練が積めます。


Anchor<デメリット>

1番大きいのは、スペシャリスト志向の外資におけるジェネラリストなので、ずっとHRBPのキャリアを進む人、または最終的に人事本部長になる人は良いですが、スペシャリストのキャリアに戻りたくなった時には難しくなります。HRBPの仕事をする上で、人事の細かい知識・経験を積み重ねていない確率が高いからです。


メリット・デメリットがわかったところで、現在日本企業にも広がりを見せているHRBPの導入について課題は何でしょうか?


まずスペシャリスト志向の外資系企業におけるHRBPに求められる優先される項目をみます。

  1. 人事の知識が広く浅くある

  2. 戦略的思考ができる

  3. 担当部署の仕事内容を理解しようと努力できる

  4. 早く解決策が欲しい部門とそれぞれ優先順位を抱えている人事の同僚の間で挟まることが多い。解決するためのコミニケーション能力と調整能力が高い



Anchor日本企業ではスペシャリスト志向が高くないため、HRBPに対して現場の仕事を理解していることが最優先で、HRBPが任命されることが多く発生します。日本企業におけるHRBPに求められる資質・経験は以下の通りです。

  1. 現場の仕事を非常によく理解している

  2. 人事のことがわかる


結果として、現場の人材に白羽の矢が当たり全く経験のない人事業務をいきなり行うケースが見受けられます。

この優先順位が理想的かと問われれば、NOと言うほかはありません。現場の仕事の内容がよくわかっている事は非常に重要ですが、研修・採用・福利厚生・労務管理の知識・経験がない人が、HRBPの業務をすぐ行うためには、人事の同僚にかなりの忍耐力が必要になります。人事の基本がわかっていない人材に、そこから説明して解決策をどちらかと言うと自分たちが全て考えるのでは、やりきれない想いが強くなるでしょう。

また、現場と人間関係が既に構築されている事は素晴らしいことですが、馴れ合いが発生する可能性はあり、「あの人に頼まれたのだからから早くやってあげるしかない」という忖度が生まれる可能性も十分あります。

HRBPの仕事は部門の成長をサポートするためにある一方、人事はニュートラルで公平であるべきなので、人事の専門家が現場の仕事のあり方を後付けで学ぶ形が理想です。

今もし皆さんの会社にHRBPを導入する計画あるのでしたら、戦略的に見てどちらが本当に部門のためになるのかを見直しましょう。

 
プロフィール

Mikako (Micky) Suzuki (鈴木美加子)

株式会社AT Globe 代表取締役社長  


GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部を転職し、油圧機器メーカー現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。1万人以上を面接した経験を元に、個人向けに キャリア相談を提供している。自身が転職を8回しており、オーストラリアでビザ取得に苦労した体験もあるので、日本国内外、すべての転職相談に対応できるのが強み。


診断ツールLUMINA SPARK & LEADER 認定講

STAR面接技法 認定講師

ホフステード6次元異文化モデル 認定講師

お茶の水女子大学卒業。


著書

2019「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版)

2020年6月「1万人を面接した元・外資系人事部長が教える 英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業)