外資系企業や英語を使う仕事に応募する場合、英語での面接を受けることがあります。面接官が日本人でも、英語力を確認するために英語で面接を行うこともあるようです。
英語でも日本語でも、面接は事前の準備が重要です。ここでは、英語での面接の流れのほか、定番の質問例と回答例についてご紹介します。
英語の面接で見られることとは?
英語で面接を行う目的は、英語力の高さだけを見るものではありません。英語で面接を受ける際、面接官はどのようなところを見ているのでしょうか。
応募職種に応じた英語力があるか
英語の面接において面接官がまずチェックするのは、「業務を遂行するために必要な語学力を持っているか」ということです。たとえ外資系企業でも、日本人を相手に仕事をする職業では、英語力はさほど求められない場合が多いですし、社員に日本人が多い外資系企業でも英語力はさほど求められません。
しかし、上司やクライアントが外国人という部署、社内のさまざまな部署とやりとりする必要がある人事、企業の戦略に関わるような部署では、高い英語力が求められます。自分が応募する職種がどの程度の英語力を求めているのかを把握して、仕事に見合った英語力が身についているかを確認しておきましょう。
英語でのコミュニケーションが可能か
職種によって求められる英語力は異なりますが、あまり英語力が求められない職種だとしても、外資系企業である以上、英語が必要な場面はあるでしょう。英語の面接では、簡単な言葉でも自己紹介がきちんとできるか、自分の経歴を説明できるかなど、相手ときちんと会話ができるかといった英語でのコミュニケーション能力もチェックされます。
応募する仕事の内容が理解できているか
外資系企業では、特定の職種に欠員が出たり増員が必要になったりした場合に求人が行われるため、同じ企業でも求人ごとに求められる業務内容や採用条件が異なります。これは、英語の面接に限ったことではありませんが、自分が応募している職種の業務内容を正しく理解できていることが大前提です。
仕事においてどのようなことができるか、また、どのようなことがしたいのかといった質問があったときに、きちんと英語で答えられるように準備が必要です。
英語の面接の流れ
英語で面接を受ける場合、日本語の面接とは進め方やマナーが異なる場合が少なくありません。英語で面接を受ける前に流れとポイントを把握して、しっかり準備しておきましょう。
1. 挨拶
日本語での面接と同様、英語の面接でもまず挨拶を交わすところからスタートします。英語圏のコミュニケーションでは、挨拶での第一印象が非常に重要です。まずは自分から声をかけて挨拶し、自分のために時間を設けてくれたことへの感謝の言葉を伝えて、積極性をアピールしましょう。
2. アイスブレイク
英語の面接では、本題に入る前にアイスブレイクと呼ばれる軽い会話や雑談をします。これは、その日の天気やニュース、「会場にたどり着くまで迷いませんでしたか?」といったような簡単な内容が交わされることが多く、お互いの距離を縮めるためのウォーミングアップのようなものです。あまり緊張せず、会話を楽しむつもりで臨みましょう。
3. 自己紹介
アイスブレイクが終わったら、いよいよ英語での面接スタートです。英語の面接では、必ずといっていいほど最初に自己紹介を求められます。自己紹介は、レジュメ(履歴書)に書いてある職務経歴やスキルを読み上げるものではありません。
これまでの仕事の経験や実績に加え、働く上でどんなことを大切にしているかといった、「あなたのヒストリー」について自分の言葉で説明する時間です。応募する職種で求められていることや企業の理念などと絡めて、1~2分程度で説明できるようにまとめておきましょう。
4. 自己PR、志望動機
自己紹介に続いて、志望動機について質問されます。なぜこの会社や職種を選んだのか、質問に対してきちんと答えられるように準備しておきましょう。
英語での面接では、これまでの経歴やスキルなど、さまざまな角度から、志望する理由を質問されることが多いです。
志望動機についてはいくつかの回答を準備しておき、できるだけ簡潔にわかりやすく、あくまでポジティブに答えるように心掛けてください。また、企業によってはSTARメソッド等を用いて、これまでの経験を詳しく掘り下げて聞くこともあります。
5. 逆質問
面接の終盤では、応募者が英語で逆質問をするシーンも想定されます。「What questions do you have?」などと質問をされた場合には、疑問点などを聞いておきましょう。
逆質問の時間を上手に活用すれば、転職後にどのような働き方ができるのか、どのようなキャリアプランを描けるのかといった具体的な情報を聞くこともできるでしょう。
ただし、的外れな質問をしないためにも、あらかじめ募集要項をよく確認しておく必要があります。
6. お礼・挨拶
面接終了後はお礼を言い、挨拶をしてから退室しましょう。
お礼は、「Thank you」といったシンプルな言葉でも構いません。また、「面接に時間を割いてくれたことに感謝を告げる」など、より具体的な言い回しを考えられるといいでしょう。
よく聞かれる質問は答えを用意しておく
面接では、定番の質問がいくつかあります。そこで、面接のシーン別の質問例と回答例を挙げました。例文を参考に、自分なりの回答をあらかじめ用意しておくと、本番で慌てずに済むでしょう。
挨拶
欧米のビジネスシーンでは、積極性が重要です。まずは自分から声をかけるようにしましょう。この際、必要以上にお辞儀をする必要はありません。
<質問例>
Hello.
(こんにちは)
<回答例>
Hello. Thank you for your time today.
(こんにちは。今日はお時間をいただきありがとうございます)
自己紹介
自己紹介では、現在または直近まで就いていた職について話します。その上で、応募するポジションに関連した実績や強みを盛り込むようにするといいでしょう。
面接のようなフォーマルな場では、名乗るときに「I'm ...」ではなく、「My name is ...」を使うこともポイントです。
<質問例>
Tell me about yourself.
(あなたのことを教えてください)
<回答例>
My name is ◯◯, I have been working in human resources at a publishing company for 4 years.
(私の名前は◯◯です。出版社で4年間、人事を担当していました)
自己PR、志望動機
前職を悪く言うことは避け、あくまでポジティブな理由での転職であることを伝えましょう。前向きな姿勢と熱意を表現してください。
<質問例>
What was your reason for leaving your last job?
(転職の理由は?)
Why do you want this job?
(なぜ、あなたはこの仕事をしたいのですか?)
Why are you interested in working for us?
(なぜ弊社を選びましたか?)
<回答例>
I have gained many experiences as a salesperson from working at my company. but I started thinking that I needed some new challenges in my career.
(現職では営業としてさまざまな経験を積むことができましたが、自分には何か新しい挑戦が必要だと思うようになりました)
I have over 10 years' chemical sales experiences, therefore, I can contribute your company's products sales grow utilizing those previous experiences.
(私は10年以上化学薬品販売をしていた経験があり、それまでの経験を活かして、御社の製品の売上成長に貢献できるからです)
逆質問
資系企業では、より積極的な姿勢やコミュニケーション能力が重視される傾向があります。面接での逆質問でも、自分が疑問に思っていることや知っておきたいことを積極的に質問していくといいでしょう。
<質問例>
Do you have any question? / What questions do you have?
(何か質問はありますか?)
<逆質問例>
What training programs are available to ensure continued personal and career development?
(入社後にはどのような研修プログラムが予定されていますか?)
What are the company's Mid-term/Long-term plans?
(御社の中長期的なプランは何ですか?)
お礼・挨拶
面接が終了する際には、しっかりとお礼と挨拶を忘れずにしましょう。
<例>
Thank you very much for your time today.
(本日はお時間をいただきありがとうございました)
I look forward to seeing you soon.
(また近いうちお会いするのを楽しみにしています)
そのほか、面接でよく聞かれる質問例
面接では、自身の仕事における目標や性格などについても質問されます。こちらも定番の質問例ですから、自分なりの回答を英語で準備しておきましょう。
<質問例>
Where do you see yourself in 5 years?
(5年後何をやりたいですか?)
<回答例>
I hope to acquire many new skills and experiences in the sales department and possibly advance to a higher position in your company.
(御社の営業部門で新しいスキルを得て経験を積み、より高いポジションにつきたいと思います)
キャリアプランを立てられているか、募集しているポジションがキャリアプランと合っているかを見る質問も多く聞かれます。明確に決まっていない場合は、「この会社で経験を積んで視野を広げたい」などと答えるといいでしょう。
<質問例>
What are your major weaknesses and strengths?
(あなたの長所と短所を教えてください)
<回答例>
I'm the kind of person who doesn't give up easily and I can think fast on my feet. On the other hand, I'd say that I am sometimes too critical of my own work.
(私は簡単にあきらめない人間で、自分で物事を考えることができます。その一方、自分の仕事に対して時々厳しすぎてしまうところがあります)
長所は、募集しているポジションに合った内容を伝えるのがポイントです。また、短所は裏返せば長所ととれるようなことを述べるのが良いでしょう。改善のために努力していることや、克服できたことなどを伝えるのも好印象です。
<質問例>
What have you learned from some of your previous jobs?
(これまでの仕事で学んだことは?)
<回答例>
I have learned how to stay updated on the trends involving customer needs, to take an active role in acquiring new customers, and I hope that I would be able to contribute to your sales and profits through these learnings.
(私は顧客ニーズをいち早く把握し、新規顧客を獲得するスキルを磨いてきましたので、このスキルを通じて御社の業績と利益に貢献できたらと考えています)
この質問では、過去に得たことが、募集しているポジションで活かせるかどうかが問われています。募集するポジションに合わせて、過去に学んだことを伝えましょう。
<質問例>
When can you start working with us?
(いつから働けますか?)
<回答例>
I'd like to start working at your company immediately, but I feel obligated to give at least one month's notice at my company.
(すぐにでも御社で働きたい気持ちなのですが、現職では最低1ヵ月前に退職を申し出る必要があります)
いつから働けるかについては嘘を言う必要はないので、具体的にいつからなのか伝えれば問題ありません。
英語面接の注意点
英語での面接の流れとよくある質問について確認をしたら、全体の注意点についてもチェックしておきましょう。英語の面接は英語圏のマナーに沿って行われるため、マナーを知らないと面接官への印象を悪くしてしまうポイントがいくつかあります。
ノックは3回、かしこまりたいなら4回
日本では、ノックは3回が正式なマナーといわれています。実は、このノックの回数については、国際基準(プロトコールマナー)があります。国際基準では、ノック2回はトイレに入っているかを確認するとき、ノック3回は親しい間柄に対して、そしてノック4回は目上の人に対するときや正式な場においてとされています。
欧米でも、入室していいかどうかを確認する場合、ノックを3回するのが通例です。ですが、英語の面接の際に、より礼儀正しい印象を与えたい場合は、ノックを4回するといいでしょう。その場合、「トントン、トントン」と、2回に分けてノックします。
スキルと技能、経験、期間を中心に
英語の面接で自己紹介するときのポイントとしてよくいわれるのが、「S.E.T」という言葉。これは、Skill(スキル、技能)、Experience(経験)、Time(期間)の頭文字を取ったものです。
これまで培ってきたスキルや技能、どのような仕事を経験してきたか、どのくらいの期間携わったのかをわかりやすく簡潔に伝えることが、英語の面接で自己PRとして重要視されます。
趣味や家族、出身といったプライベートな情報は必要とされません。英語の面接ではビジネスパーソンとして、自分ができることを端的に伝えましょう。
アイコンタクトをとる
面接では、面接官としっかりアイコンタクトをとることが重要です。
面接は緊張するものです。そして、人は緊張すると目線が泳いでしまったり、うつむき加減になったりします。ですが、そうした態度は自信がない、やる気がないという印象を面接官に与えかねません。反対に、緊張しすぎて面接官を凝視するのも問題です。
面接では、できるだけリラックスして、しっかりと面接官の目を見て話しましょう。面接官が複数いる場合は、できるだけまんべんなく視線を向けるようにしてください。
英語の面接のコツは、面接官の目を見てはっきり話すこと
慣れない英語での面接は、勝手が違って戸惑ったり緊張したりする場面が多いかもしれませんが、無理に難解な英語を使う必要はありません。面接官は英語力だけでなく、あなたの人となりや、どれだけ会社や募集する職種を理解しているかを見ようとしています。
会社や職種についてしっかり研究したら、簡潔にわかりやすく、ゆっくりはっきり話すことが英語の面接を成功させるコツです。ポイントを押さえてしっかり準備したら、あとは面接官の目をしっかり見ながら、自信を持って話しましょう。
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