仕事に自信が持てるようになり、キャリアアップのために外資系コンサル企業への転職を考える人は多くいます。しかし、外資系コンサルティングファームの具体的な業務内容や働き方についてが、よくわからないという人もいるのではないでしょうか。
今回は、外資系コンサルティングファームで働くメリットや業務内容を紹介します。また、転職する際に必要なスキルと、転職対策について解説しましょう。
外資系コンサルティングファームの種類と特徴
外資系コンサルティングファームは、クライアント企業の課題解決のために、第三者として関わることが主な業務です。クライアント企業の課題はさまざまで、提供するソリューションによって外資系コンサルティングファームもいくつか種類があります。
まずは、代表的な外資系コンサルティングファームの種類と特徴について見ていきましょう。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサル企業は、クライアントの業種を問わず、あらゆる課題を解決に導く企業です。大規模な企業が多く、企業戦略、事業戦略、IT戦略の立案から策定のほか、システムの導入や運用まで幅広く対応します。クライアント企業にとっては、1社に依頼することで複数の課題を解決できるメリットがあるでしょう。
代表的な外資系の総合系コンサル企業として、アクセンチュアやデロイト トーマツ コンサルティングなどが挙げられます。
戦略系コンサルティングファーム
クライアント企業の経営課題について、外部から戦略の策定やアドバイスを行うのが戦略系コンサルティングファームです。クライアント企業の経営層と関わり、中長期の営業戦略からM&A、新規市場への参入、新商品開発など、幅広い角度からの企業の経営サポートが主な業務です。
代表的な外資系の戦略系コンサルティングファームとして、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン コンサルティング グループなどが挙げられます。
IT系コンサルティングファーム
ITを活用して企業の課題解決を図るのが、IT系コンサルティングファームです。企業の業務を一元化するERPや顧客を管理するCRMを導入するほか、システムの開発や最適化を行ったりします。最近では、DX推進のために社内のIT環境の見直しを図る企業も多く、IT系コンサルティングファームの需要も高まりました。
代表的な外資系のIT系コンサルティングファームとして、IBMやスカイライト コンサルティングなどがあります。
財務アドバイザリー系コンサルティングファーム
金融関連に特化しているのが、財務アドバイザリー系コンサルティングファームです。主な業務として、M&Aアドバイザリーをはじめ、企業価値評価、企業再生支援、フォレンジック(不正調査や係争分析など)といったことが挙げられるでしょう。
代表的な外資系の財務アドバイザリー系コンサルティングファームとして、KPMG FASやPwCアドバイザリーなどがあります。
このほかにも、業界や業務に特化したコンサルティングファームやシンクタンクなど、外資系コンサルティングファームにはさまざまな種類があります。
外資系コンサル企業の役職と業務内容
外資系コンサルティングファームのポジション(タイトル、役職)名は、企業によって多少呼び名が異なりますが、大きく下記の4つに分けられます。
アナリスト
アナリストは、新卒や第二新卒などで入社した社員が就くポジションです。アソシエイトやリサーチャーなどと呼ばれることもあります。
情報収集や分析、レポート作成などが主な業務で、コンサルタントのアシスタントのような役割です。ただし、アナリストが収集・分析した情報をもとに、コンサルタントが仮説検証を行い、企業へのコンサルティングを行うため、プロジェクトには欠かせないポジションといえます。
コンサルタント
アナリストがスキルを認められることで昇格するのがコンサルタントです。転職で中途採用された場合は、コンサルタントからスタートすることが多いようです。プロジェクトの実務を担うポジションであり、ファームによってはシニアアソシエイト、シニアアナリストなどと呼ばれることもあります。
マネージャーが定めた方針のもと、プロジェクトを推進します。マネージャーが重要な判断を行うために、アナリストが作成したレポートをさらに分析して取りまとめることも重要な業務です。
マネージャー
マネージャーは、アナリストやコンサルタントのマネジメントを行い、プロジェクトに責任を持つポジションです。マネージャーにあたるポジションを、プロジェクトマネージャーと呼ぶ場合もあります。
アナリストやコンサルタントのクオリティコントロールのほか、スケジュール管理、コスト管理など、プロジェクト全体を俯瞰しつつ、成果を上げるための重要なポジションです。
パートナー
パートナーは、コンサルタントが最終的に上り詰めるポジションであり、共同経営者のポジションです。ディレクターやヴァイスプレジデントなどと呼ばれる場合もあり、ファームによっては、マネージャーとパートナーのあいだに、シニアマネージャーやプリンシパルと呼ばれるポジションを置くこともあります。
パートナーは営業としてクライアントの新規開拓や、コンサルティングファームの経営を行うことが主な業務です。
外資系コンサルティングファームで働くメリット
外資系コンサルティングファームで働くことに憧れを持つ人は多いです。では、具体的に転職するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
給与水準が高い
外資系コンサルティングファームで働くメリットとして、まず給与水準の高さが挙げられます。
日系企業でもコンサルティングファームは給与水準が高めですが、外資系コンサルティングファームではさらに高給が期待できるでしょう。ベースの年収に成果のインセンティブが加算され、20代でもコンサルタントで年収1,000万円を超えることも珍しくなく、パートナーとなれば数億円となることもあります。
成果主義である
多くの外資系企業では、実績で評価する成果主義を採用しており、外資系コンサルティングファームも例外ではありません。性別や年齢、在籍年数などにかかわらず、成果を出せば正当に評価してもらうことができ、給与やポジションに反映されます。
スキルが身につく
外資系コンサルティングファームで働くメリットのひとつに、高いスキルを身につけられることがあります。
身につけられるスキルとして、課題解決のための論理的思考力、生産性を高めるためのタスク処理能力、限られたリソースでプロジェクトを遂行するプロジェクトマネジメント力などが挙げられるでしょう。常に成長し続けることが求められるため、高いスキルや志を持った人と共に働くことで、大きな刺激を受けられます。
長期休暇が取りやすい
コンサルティングファームでは、プロジェクトごとにチームを結成し、プロジェクト終了後は解散という流れで進めることが多いです。案件がクローズしてから次のプロジェクトが始まるタイミングなどで、長期休暇を取ることも可能でしょう。
外資系企業は全般的に、休暇を取ることは従業員の当然の権利と考える傾向があります。外資系コンサルティングファームの場合は、業務の特徴上、長期休暇を取ることが出来る場合が多いです。
外資系コンサルティングファームで求められるスキル
コンサルタントとして働くために、資格は必要ありません。ただし、外資系コンサルティングファームに転職する際は、共通して求められるスキルがあるようです。
続いては、外資系コンサルティングファームに転職するために必要なスキルを紹介します。
コミュニケーション能力
クライアント企業にコンサルティングを行う際は、クライアントとやりとりしながら正確に意図や要望をくみ取る必要があります。さらに、そこから課題を見つけ出し、解決のために議論や提案を行わなければなりません。そのため、コミュニケーション能力は必須のスキルと考えてください。
プロジェクトを進める際にも、アナリストやマネージャーと連携するためにも、コミュニケーション能力は欠かせないものです。
ロジカルシンキング(論理的思考力)
クライアントが抱える課題を発見し、解決に導くためには、論理的に考える必要があります。コンサルティングは、専門家であるクライアントに対し、第三者であるコンサルタントがアドバイスを行うということです。
これまでの業界の常識だったこと、経験や勘に頼っていたことに対し、新しい解決策を示すためにはロジカルシンキングが必要不可欠です。クリティカルシンキング、仮説思考、MECEなど、ロジカルシンキングの手法はできるだけ押さえておいてください。
ストレス耐性
外資系コンサルティングファームで働く上で、ストレス耐性やメンタルの強さが必須です。成果主義のため常に結果を出すことが求められる中で、多大な業務をコンスタントに処理しなければなりません。さらに、クライアント折衝の際には、予想外の出来事も起こるでしょう。大量の業務をやりがいと感じ、ミスを次への糧と切り替えられるストレス耐性が必要です。
英語力
外資系コンサルティングファームへ転職するだけでは、英語力が必須ではありません。クライアントの多くが日系企業という場合もあり、業務で英語を必要としない場合も多いです。
ただし、クライアントが外資系企業であったり、外国企業が業務提携先だったり、自社の海外拠点が主導するなど、グローバルなプロジェクトに関わる上では、ビジネスレベルの英語が必須です。マネージャーやパートナーに昇格した場合は本国とやりとりが増えるため、やはり英語ができたほうがいいでしょう。
外資系コンサルティングファームへの転職自体に英語力が必須とはいえませんが、仕事の幅を広げ、キャリアアップするためには、英語力が武器になります。
外資系コンサルティングファームに転職するための対策
外資系のコンサルティングファームの選考通過率は低く、通過率1%未満というファームもあります。コンサルタントの適性があるか、選考時にチェックされることがその理由でしょう。
転職を考えた場合は、しっかり対策しなければなりません。そこで、転職の選考に進む前に対策しておきたいポイントを2つご紹介します。
適性検査の対策
外資系コンサルティングファームの選考では、書類選考通過後に適性検査が行われることが多いです。「SPI」や「GAB」「CAB」「玉手箱」などが利用されることが多く、知識や思考、性格の面で、コンサルタントとして適性があるかが見られます。
適性検査は、企業によって明確に合格ラインを定めている場合があれば、面接の参考程度にする場合もあります。いずれにせよ、テストの形式がわかっていれば、事前に参考書などでしっかり勉強しておきましょう。
面接の対策
転職の面接では、自身のスキルや経験、実績を魅力的に伝えることが重要です。さらに、外資系コンサルティングファームの選考では、「フェルミ推定」と「ケース面接」について準備しておかなければなりません。
フェルミ推定は、実際には調査できない数値を、最低限の情報と知識で論理的に概算するもの。対してケース面接は、問題解決力や論理的思考力を試されるものです。与えられた問いに対し、制限時間内に打ち手をプレゼン形式で提案します。
この2つは外資系を問わず、コンサルティングファームに転職を考えるなら対策が必須でしょう。
しっかり対策して外資系コンサルティングファームに転職しよう
外資系コンサルティングファームへの転職は簡単ではありませんが、キャリアアップして活躍したいと考える人にはぴったりの業界です。外資系コンサルティングファームで働くメリット・デメリットをよく理解した上で、転職を検討してください。
ただし、選考の難度が高く、ファームごとに特徴があるため、入念な事前準備が必須です。転職エージェントも利用し、外資系コンサルティングファームへの転職を成功させましょう。
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