インタビュアー: Takumi Murakawa, Mikiyuki Obi
制作: RGF Professional Recruitment Japan Marketing Team
ギリア株式会社(GHELIA INC.)は、2017年設立以来「ヒトとAIの共生環境の実現」を掲げ、最先端のAI技術を活用したソリューションを提供。約100名の社員が在籍し、独自のAI技術力を駆使し、AIの社会実装を推進、ビジネスの変革を支援する実力派の急成長企業です。
今回のインタビューでは、同社 取締役副社長CFOの数藤剛様、ビジネス創出課 課長の近田慎一郎様に同社の事業内容と魅力、新規参画メンバーに求める人物像に加え、今ホットなAI市場の変化感と成長機会まで幅広くお伺いしました。
数藤 剛様
東証一部上場企業等で管理部門全般の実務及びマネジメント、資金調達・事業計画立案等を担当した後、MBOを行ったベンチャー企業の管理部門取締役としてIPOを実現。2018年にギリア株式会社へ入社し、経営管理部門を統轄。ファイナンス、内部統制の整備、予算管理、財務戦略の立案等に従事し、2018年12月より取締役を務める。
近田 慎一郎様
ソニー株式会社に入社後、半導体事業部にて次世代設計技術の開発とイメージセンサーの設計に従事。スマートフォンの普及に伴う、ネットワークサービスやアプリケーション分野の急速な発展を見据え、ソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)のインキュベーション組織へ異動し、ソニー発のネットワークサービスの企画・開発に携わる。
AI・ディープラーニングの可能性に着目し、ソニーCSLのインキュベーションプログラムに参画、プロジェクトの成果を事業化するギリア株式会社に設立時から参加。現在は、ビジネス創出課の課長として、AI新規事業開発に従事。プロジェクトで得た経験と知見を活かし、企業の課題解決に寄り添う形で、最先端AI技術の実装を推進。
RGF:本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは、貴社の事業内容とその強み・特徴について教えて頂けますか?
近田様:当社は「ヒトとAIの共生環境の実現」をミッションに掲げ、主に企業向けにAIソリューションを展開し、AIの社会実装に取り組んでいる会社です。
取り組みの一例として、教育分野のAIである「AI学習診断」があります。これは、生徒が問題を解くことで得意・不得意を把握できる仕組みを提供するものです。このようなソリューションを通じて、AIの力でお客様の課題を解決すると共に新たな価値を提供していくことが、私たちの事業の中心となっています。主な特徴としては、やはり桁違いの性能や精度の高さが挙げられると思います。
当社は、プロジェクトやR&Dを通じて培った幅広い技術領域におけるAIのコア技術を強みとしています。メンバーの過半数をエンジニアが占めており、高い技術力に裏打ちされたソリューションを提供しています。また、当社が考える技術力の高さとは、単に複雑な技術を提供するだけにとどまらず、お客様に寄り添い、しっかりとニーズを満たす形で提供できることであり、それを実現できることも強みの一つです。
AI技術にはさまざまな種類がありますが、単に「技術がありますので使ってください」というのではなく、お客様が抱える業務上の課題をしっかり把握し最適な技術を提案することで、より価値のあるソリューションを実現しています。
数藤様:その通りで、少し経営の視点からも補足すると、日本国内外の多くの企業がAI領域に挑戦する中で、当社が大切にしているのは「お客様とともに技術の力で前人未到のビジネス成果を創出すること」です。前人未到の成果を生み出すことに、まさにやりがいと面白みがあると考えています。そのためには、技術力に圧倒的な差がなければならず、他社と比較して桁違いの性能や精度を提供できる会社であることが不可欠だと思っており、技術力の明確な違いを持つ企業であることを重視しています。
また、私たちはソニーCSLに起源を持ち、起業家精神を大切にしています。ソニーグループが沢山のプロダクトで社会にインパクトを与えたように、ゲームチェンジを起こすものをAI技術で生み出したいと考えています。このビジョンのもと、人工知能を活用して新たな価値を創造することを目指し、経営を行っています。ですので、近田が述べたように、当社の事業は単なる技術提供ではなく、お客様の課題を本質的に解決することを目的としています。
RGF:桁違いの技術力へのこだわりや、お客様の課題を的確に把握し最適なソリューションを提供する姿勢が、これまでの急速的な事業成長の裏付けとなっているのですね。貴社の社風についてもお伺いしたいのですが、ギリアを象徴するキーワードを挙げるとすれば、どのような言葉が当てはまりますか?
近田様:ギリアは「挑戦」を大切にする会社です。技術的な挑戦はもちろんのこと、お客様に向き合うこと自体も挑戦の一つだと考えています。先ほど「前人未到」というキーワードがありましたが、まさにお客様に対して新しい価値を届けることに挑戦し続ける姿勢が、当社の強みです。
この挑戦はAIエンジニアだけでなく、お客様と直接向き合うフロントメンバーであるプロジェクトマネージャー、企画、営業、そしてコーポレート部門のメンバーも同様です。私たちは、日々新しい業界のお客様、課題、ビジネス形態と向き合います。それぞれのチームが「これまで実現できていなかった価値をお客様に届ける」ことに挑み続ける。そうした挑戦を厭わない社風が、ギリアのここまでの成長・進化の源泉となっています。
RGF:最近では、日本郵船グループや横河電機グループとの業務提携や共同プロジェクトのリリース発表が続いていますが、これも貴社の挑戦の一環と感じています。その戦略的な背景について、教えて頂けますか?
近田様:日本における主要なサプライチェーンの要となる企業様に対して、ギリアならではの差別化できる技術力で支援することを目的とし、業務提携という形でより深い協業関係を築いています。
例えば、日本経済は高度成長期よりモノづくり・製造業を中心に成長してきた背景があります。その中で、設計領域や生産領域が他社との競争優位性が発揮される領域と考えています。このような差別化の中心(コア)となる部分に、他社と大きく差別化できる技術をお届けすることで、パートナー様のビジネスの成長をドライブし、ひいては世界における日本の競争力の優位性の維持に貢献できるのではないかと考えています。
同じ考え方のもと、例えば、個別指導塾のトライグループ様との取り組みでは、AIが理想的な先輩として隣に寄り添って勉強を教えてくれたら、生徒の学力の向上に役立つのではないか、という考えから生徒一人ひとりの課題を高精度かつ高速に診断するAIを開発しました。また、次年度の入試問題を的中させるような技術開発にも取り組んでいます。
日本郵船様とのプロジェクトでは来るべき自律避航船の時代に向けた技術開発を共同で進めております。単なる無人化ではなく、エネルギー問題や輸送問題など国や地球規模の社会課題へ一緒に挑戦を行っております。こうした取り組みは、ソニーグループのDNAとも深く関わっています。ソニーコンピュータサイエンス研究所は、地球規模の課題に技術で貢献することを理念に掲げてきました。当社もその精神を大切にしながら、新たな技術を活用し、未来に向けた価値を創出していきたいと考えています。
RGF:戦略的にもミッション的にも、取り組むべき使命感を持って進めていらっしゃるのですね。ありがとうございます。市場感に対するお考えに関してもお伺いしたいのですが、近年、AI開発のプレイヤーが次々と市場に参入している印象があります。こうしたマーケットの変化について、どのようにお考えでしょうか?
近田様:企業におけるAI技術の導入は依然として限定的であると考えています。業界によりAI活用の差はあると思いますが、実際にお客様とお話をしていると、導入領域は部分的なものにとどまっています。特にお客様の業務領域のコア部分にAIが導入されている例は非常に少なく、「導入を検討し始めた」「やりたいと考えている」という段階の企業が多いと感じます。
私たちが接点を持つ業界トップの企業様や役職者様と話をしていてもその手応えは強く、国内においてAI導入の余地はまだまだ非常に大きいと考えています。
数藤様:同じ認識です。生成AIが普及しAIが身近になったことで、仕事の中での活用も進んでいます。一方で、私たちが企業のエグゼクティブの方々とお話をしていると、AIを試してみたものの効果が出ず、実際には導入に至っていない企業が一定数以上存在していることがわかります。これまでの戦略やビジョンにも関連しますが、企業が最も力を入れるべき領域、つまり競争優位性の源泉となる部分に特化したAIサービスは、日本ではまだ十分に形作られていないと感じます。我々としては、この分野に確かな技術力と高い性能を持つAIを提供することで産業に特化したAI市場での大きなニーズを満たし、ブルーオーシャンとなる領域で勝機を見出したいと考えています。
RGF:新たなビジネス創出の機会は大きく、そのために潜在的な需要を捉えていくことが重要になりますね。そのための貴社の独自取り組みとして、通常の営業組織とは異なる「ビジネス創出課」を新設されたと伺っていますが、その経緯と役割について教えて頂きたいです。
近田様:既存の営業部門や技術部門では一定の販売手法が確立されていますが、それだけでは市場全体にAIを届けるには限界があり、新しい売り方やビジネスとのつながりを生み出す必要があると考えました。そこで、従来の枠組みを超えて新たなアプローチを模索するため「ビジネス創出課」を立ち上げました。この組織では、これまでギリアがアプローチできていなかった他業種への積極的なアプローチを行います。例えば、金融業界や物流業界、エネルギー業界などにアプローチを行い、そこにある業界全体の課題に対してAIを入れる余地があるのかどうかという点から試行錯誤するところから始めます。その過程で、新しい売り方や市場のニーズが日々見えてきており、柔軟かつスピード感を持って対応します。
いわば事業開発に近い役割を担っており、市場調査から顧客開拓、提案までを一貫して行います。その後のAI開発や実装は技術部門と連携し、最適なソリューションを届けることがビジネス創出課のミッションです。通常の営業活動に加え、より戦略的にターゲットを選定し、業界の課題を深く理解した上で、最適な技術の活用方法を模索する点が、この組織の重要な役割だと考えています。
RGF:この「ビジネス創出課」の役割の魅力や成果についても教えて頂けますか?
近田様:先ほどのお話と関連しますが、ビジネス創出課の魅力の一つは、業界の主要企業、特にプライム市場における上場企業の役職者と直接対話できる点です。部長クラス以上、時には執行役員や取締役の方々ともお会いする機会が多く、対等に議論するためには、業界知識をしっかりと身につける必要があります。その過程での学びが非常に面白く、私自身、大きな成長の機会になっていると感じています。
成果としては、リース業界への取り組みが一つの成功事例です。まず、特定の企業と密接に連携し、初期的な課題解決のソリューションを提供しました。その結果、お客様の業務プロセスにおける重要指標を50%以上向上できるAIの活用方法を提示することができました。加えて、私たち自身も業界知識を深め、リース業界の業務プロセスにおける課題やAIの活用可能性についての知見を蓄積し、それを自社の強みとして磨き込み、他のリース業界の企業にも展開を進めています。現在、業界内での関心も高まり「この会社も紹介したい」という声を多数いただいていることも成果の一つです。今後はリース業界にとどまらず、関連領域にも横展開し、新たな柱を次々と生み出していきたいと考えています。
数藤様:ビジネス創出課は事業開発だけでなく、商品開発の役割も担っています。単なる営業活動ではなく「業界にとって本当に価値のあるAIソリューションを生み出す」ことを目的としています。例えば、先ほどの50%以上向上できるAIは、既存の業務を高精度で予測・最適化するもので、これは業界にとって大きな変革の可能性を持っています。
私たちは毎日、業界のリーディングカンパニーのエグゼクティブと商談を重ねており、その中で業界の本質的な課題や競争優位性を生む要素を深く理解しながら提案を行っています。そうした活動の中で、特にリース業界では、精度高く計測・分析することで業界全体を変革できる可能性があることを確信しました。結果として、半年ほどで新たな商品を開発し、日本の主要企業から高い期待と評価をいただいている状況です。
RGF:業界への徹底的な深耕が成功の秘訣と言えますね。冒頭で「ギリアはエンジニアの会社である」とお伺いしましたが、ビジネスサイドも非常に重要な役割を持っていると言えそうですね。
近田様:はい、まさにその通りです。エンジニアの技術力は当社の大きな強みですが、それだけではお客様にとって本当に価値ある提案にはなりません。お客様の業界や事業の理解、そして技術に対する深い知見の双方を持って初めて、実効性のあるソリューションに落とし込むことができます。
ビジネス創出課をはじめとするフロントのメンバーは、その橋渡し役として非常に重要なポジションを担っていると考えています。
RGF:貴社の社員の皆さんは「働き方」はどんな感じですか?
近田様:働き方は柔軟で、社員は各自で在宅とオフィスのバランスを取りながら業務を進めています。決まったルールはなく、必要に応じてオフィスに出社し、お客様を訪問することもあります。
私自身は週に1回ほどオフィスに出社していますが、お客様との面談が多いため、週によっては2〜3回ほどお客様先へ伺うこともあります。その前後でオフィスに立ち寄ったり、自宅でリモートワークをしたりと、その時々の業務に応じた働き方をしています。
RGF:新設された「ビジネス創出課」の人員拡大・強化が貴社の戦略的注力の一つと理解していますが、参画頂きたい方のイメージを教えて頂けますか?
近田様:これまでの話ともつながりますが、私たちは今、新しいビジネスの柱をゼロから立ち上げようとしています。そのため、こういった立ち上げに挑戦する気概のある方と一緒に働きたいと考えています。また、当社では役職者やトップマネジメントの方々と向き合う機会が多く、これは大きな学びになる一方で、プレッシャーを感じる場面もあるかもしれません。しかし、それを楽しみながら挑戦できる方にとっては非常に魅力的な環境だと思います。さらに、AIという最先端技術、当然それには生成AIやエージェント等のトレンドになっている技術も含まれますが、幅広い分野に触れながら学びを深められる環境も大きな魅力です。こうした挑戦や学びに興味を持ち「ここで働きたい」と思っていただける方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
数藤様:近田が申し上げた通り、私たちは創業以来「世界と戦える日本発の企業」として成長し続けることを大切にしてきました。そのため、挑戦を続け、より良い方向に変化し続ける気概と知性を持つ方には、活躍できる舞台を提供できます。また、私たちが目指すのは社員が誇りを持てる会社であり、ギリアで働くことが人生のキャリアにおいてハイライトとなるような職業体験を提供することです。自分を磨き、飛躍させたい方にとって、ここは最適な環境だと思います。一方で、ギリアの働き方は健全で生産性の高い就労環境に在り続けていることも特徴です。私自身も過去には長時間労働が当たり前の環境で働いていましたが、ギリアでは生産性を重視し、知的で価値のある仕事に集中できる環境を整えています。人工知能という知性の最前線に立つ企業として、働く人々も知的な生産活動を重視し、刺激と変化を求めながら成長できる環境です。そうした考え方に共感し、新たな挑戦を求める方とぜひ一緒に働けたら嬉しいです。
RGF:最後に、ギリアで働く魅力について是非教えてください!
数藤様:ギリアで働く魅力は「前人未到のビジネス成果を生み出せること」であり、技術を社会実装する仕事ができることだと思います。将来、家族や友人に「どうだ、これが自分の仕事だよ」って誇れるような仕事ができる。例えば、お父さんが子どもに「これ、お父さんがやった仕事だよ」と言える。そういう仕事に携われるって、すごく価値のあることだと思うんですよね。社員の皆さんもこのことを共通の意識としてとても大事にしていると思います。
近田様:そうですね。例えば、以前トライグループの広告で流れていたAIカリキュラム診断、あれもギリアの技術なんです。世の中に知られているサービスの裏側に自分たちの仕事があるってすごく誇らしいですよね。私たちが創るものはただのビジネスじゃなくて、前人未到の領域に踏み込んで新しい価値を生み出していくもの。お客様のビジネスの転換点をつくることができるのも、大きなやりがいです。そういった新しい価値に「自分が関わったんだよ」と言えるものが増えていくのは、単にモノを売る仕事とは違う、特別な喜びがあると思っています。そういう仕事をしたい人には、すごく面白い環境じゃないかなと思います。
数藤様:ちなみに、近田はフロントの役割もありますが、実はエンジニアリングの知識も相当高いです。業界やビジネススキルを持ちながら、AI企業の代表として技術の深い部分まで理解している。だからこそ、技術とビジネスの両方を極めたい人には、ギリアは最高の環境だと思います。仕事を通じて自分自身もレベルアップしながら「これが自分の仕事だ!」と胸を張れるような経験を積みたい方と、ギリアの一員として一緒にお仕事ができるといいなと願っています。
RGF: ありがとうございました
クライアント情報
企業名:ギリア株式会社(GHELIA INC.)
本社:〒110-0016 東京都台東区台東4-19-9 山口ビル7 8F
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